今回のイベントのテーマは「Technics SL-1200 があったこそ生まれた音楽がある!」 オーディオを楽器の様に使い、既存のレコードから新しい音を生み出すようになったのは、この優れたレコードプレーヤーがあったからこそ。
この名機に携わってきた方に、この名機の歴史を伺います。もちろん限定1200台の音も聞いていただきます
円盤型のレコードは1887年。エミュール・ベルリナーの実験の成功によって生まれた。等速で同じ角度で録音針と表面が接触するエジソンの筒型とは違い外径と内径では溝を走る速度も変わるし、針が当たる角度も直線に近い外側とよりカーブがきつい内側では変わってくる。
この難しい条件ながら、ベルリナーは、横振動方式で音を刻むことに成功し、量産に向くこの円盤型がレコードとして生き残ることになる。
ベルリナーの時代は、レコードを載せた円形の板(ターンテーブル)を、最初は手回しで、次にゼンマイが開放されるエネルギーで、その後は電動モーターでと駆動源が進化してゆく。
現在は、殆どが回転式電動モーターを原動力にしたターンテーブルだが、それには、モーターの回転軸とターンテーブルとの中間に減速用のローラーを挟んで回転を伝える「アイドラ・ドライブ」方式、ゴムのベルトや、繊維で作った糸で回転を伝える「ベルト(糸)・ドライブ」方式、そしてテクニクスが実用化した電気モーターの回転軸がそのままターンテーブルの回転軸となるつまり、モーターが直接ターンテーブルを回転させる「ダイレクト・ドライブ(DD)」の3方式がある。
それぞれに長所・短所があるものの、トルク(回転力)とスタート・ストップのレスポンス。取り扱い易さ。耐久性。全てにおいて高い性能を得るこができるのが日本発のDD方式。 そしてその中でも、NYのⅮJたちの高い性能要求をみたし、発売当初から「完成品!」と称賛されてきたのが「テクニクス SL-1200シリーズ」
今回、テクニクス様のご厚意で、昨年50周年記念で国内300台(全世界1200台)の限定生産品「SL-1200GAE」(写真)を音浴博物館へ長期貸与いただくことになりました。
これを記念して、設置される8月3日に テクニクスの上松泰直氏に来館いただき「音楽文化を変えた名機・SL-1200」のお話と、70年台、80年台のPOPSやディスコサウンドを特別な「SL-1200」で奏でます。